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村上 裕晃; 竹内 竜史; 岩月 輝希
JAEA-Technology 2022-022, 34 Pages, 2022/10
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、瑞浪超深地層研究所の坑道の掘削に伴う地下深部の地下水環境の変化を把握するため、約24年にわたって坑道および研究所周辺のボーリング孔において地下水の水圧および水質観測を実施してきた。令和元年度から開始した研究坑道の埋め戻しでは、環境モニタリング調査として、坑道の埋め戻し作業に伴う地下水の回復状況を確認することとしている。地上から地下深部の地下水環境を観測するためには、これまで研究坑道内で行ってきた地下水の水圧や水質の観測を地上から行うこととなるが、瑞浪超深地層研究所のような大規模な地下研究施設の埋め戻しは世界的にも前例がなく、新たな観測システムの開発が必要であった。そこで、瑞浪超深地層研究所の研究坑道周辺の環境を観測するために、坑道内に展開していた既存のモニタリングシステムを活用しつつ、地上からの観測を可能とする新たな観測網を整備し、環境モニタリングの実施を通じてその技術を実証することとした。開発された観測システムを用いて坑道の埋め戻し前~埋め戻し期間中の地下水の水圧・水質を観測した結果、埋め戻した坑道内の地下水環境モニタリングにおける本システムの有効性を実証することができた。
梅澤 克洋; 萩野谷 仁; 加藤 貢; 浅妻 新一郎
no journal, ,
福島県内では、井戸水, 湧水, 沢水等が生活用水として、また、農業用のため池が農業用水として広範囲で使用されている。福島第一原子力発電所の事故以来、これら生活用水及び農業用のため池等の放射性セシウム(Cs-137, Cs-134)による汚染が懸念されている。生活用水や農業用水の安全性を確認することは避難住民の帰還、また、福島の復興に向けた課題の一つとなっており、原位置にて高精度に水中の放射性セシウム濃度を測定し、測定結果を迅速に提示できる手法が求められていた。そこで日本原子力研究開発機構は、関係住民のご不安解消の一助とするため、水中の放射性セシウム濃度を原位置において高精度に連続測定できる水モニタリング車(可搬型高感度水モニタリングシステム)を開発し福島県内各地で測定・評価を行っている。今回は水モニタリング車の概要と共に測定実績を紹介する。